Secret Rose
キーッ――！！

雨のせいで車がなかなか止まらなかった。
一瞬のことのような、でも、とてもゆっくりに時が進んだ気がして、状況が飲み込めなかった。
もしかしたら、自分だけ時間に取り残されていたのかもしれない。

ドスッと鈍い音がした後に、雨の音がとても大きく聞こえた気がする。

祐吾の前を進んでいた車が急ブレーキをかけ、荷台に積んでいた巨大なロール紙が祐吾の車目がけて転がり落ちてきた。

体へのダメージは少なかったが、ボンネットは潰れ、フロントガラスは割れ、その衝撃でエアバッグが飛び出し、その衝撃で２人は気を失った。

茜が目を覚ましたのは、次の日の昼頃。２人は病院のベッドに寝かされていた。
気を失っている間に、大体の処置と検査は終わっていた。

２人とも足をひどく骨折していて、手術が必要のようだった。
幸い、脳や神経などに問題はなく、大きなケガも足だけで、あとはむち打ち程度だった。
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表紙・目次

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