歪んだ愛しさ故に
 
悔しい…


彼を陥れるために近づいてくることを許したはずなのに
あたしの意思とは関係なしに、速まっていく鼓動。


間違いなくあたしは
今目の前にいる上沢さんにドキドキとしていて……。



「は…なして……」

「嫌だ」



取り乱してしまいそうな自分を抑えるのに、必死だった。



「絶対に逃がさない。

 お前の心を手に入れるまでは」


「…っ」



なんて最低な言葉を吐く男だろう。

体だけじゃなく、心まで奪ってから、ズタボロにして捨てるのだろうか。



最低で…
最悪で……

こんな男は、絶対に好きにならない。
 
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