歪んだ愛しさ故に
 
燃え上がってくるのは闘争心。


振り回されかけている自分に悔しくて……。



ギリッと掴まれた手から
力を抜いて彼を見つめた。




「……なら、言ったでしょ。

 それなりに楽しませて」




売り言葉に買い言葉。


負けを認めるのが悔しくて
まだまだあがき続ける。


上沢さんはまたあの悪魔の微笑を浮かべると、




「ああ。

 俺が飽きるまでな」




とことん最低な言葉を残した。

 
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