歪んだ愛しさ故に
 
両者譲らない勝気な瞳。


お互いに認めたくなかったのかもしれない。

少しずつ動き出している心の変化に……。




「んっ……っ」


ランチの帰り、
連れ込まれた路地裏。


襲いかかってくるのは、息継ぎすらも許されない激しいキス。



「外じゃなければ、めちゃくちゃに抱いてた」

「……それは残念ね」



彼に向かって放った言葉なのに

心のどこかで、自分も残念と思ってしまっている気がして……



「じゃあ、今日は家に来たら?」



彼を翻弄するためと言い聞かせながら

自分が彼を求めている。



「ん。覚悟しとけよ」



今夜もまた
あたしは彼を誘惑する。
 

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