歪んだ愛しさ故に
 
ちょうど通りがかったタクシーを呼び止めて、一緒の車に乗り込む。


なんかもう疲れた。
このまま寝たふりしちゃおう。


そう思っているのに……



「なっ……」
「ん。やっぱそっちのがいい」
「……」



伸ばされた手。

その手は、勝手にまとめられていたヘアゴムを外してしまった。
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