キミのイタズラに涙する。


それって、私が隆平のことを……


スースースー


「寝ちゃった……」


小さく聞こえてくる寝息。


今口に出した言葉、聞かれてなくて良かった。


「手……あつい」


熱のせい。

私の気持ちも彼の気持ちもきっと熱のせいだ。


ガチャー


「ただいま〜」


すると隆平のお母さんが帰ってきた。

私が部屋から出てお母さんに挨拶すると


「あら、沙良ちゃん来てくれてありがとうね~」


隆平のお母さんは笑顔でそう言った。

目がすっごくお母さんに似てる。






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