キミのイタズラに涙する。


恋人同士になることもない。


彼の特別になることもない。


それでも確かに大きな愛はあったんだ。



「満くん……っ、梓……

私、隆平に……っ、ちゃんと笑顔見せたいよ

笑って、安心させてあげたいよ……」


「うん、そうだね。」


「行こうか、みんなで隆平のところに」


優しさに溢れたこの環境を作ってくれたのは彼だった。


その彼に会ってちゃんと伝えよう。


私はもう、大丈夫だと。


私たちはお花や隆平が好きだったものを買って

隆平の眠るお墓に向かった。

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