先輩×後輩
「帰り、わりと早かったじゃない」
「ああ、さすがに疲れたし、ちょっと早めに切り上げた」
優子が光輝くんとそんな会話をしてるのが聞こえた。
優子と光輝くんは、本当に仲よしなの。
そんな2人を見て、時々羨ましくなっちゃう。
あたしにもお兄ちゃんがいるんだけど、もう社会人で、今は1人暮らししてるんだ。
だからなかなか会えなくて、2人を見てるとちょっとさみしいときもある。
でもたまに連絡くれるし、会いに行こうと思えば、いつでも会えるんだけどね!
「まだいたんだ」
「うん。海楽しかった?」
俊くんと一緒に、リビングに入る。
俊くんからはほんのり海の匂いがして、あたしはさっきの写メを思い出した。
「まあ、それなりに」
もう、本当に素直じゃないんだから。
数日会わなかっただけなのに、俊くんはほんのり黒く焼けていて、さらに男っぽくなっていた。