SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
逃げ出したいけど、ここで逃げれば、私達は永遠に判り合えなくなる。




彼の態度に物申したいけど、グッと我慢した。




1時間位経ち、横浜を離れ郊外へと車を走らせる。




「どこに行くの?」



「もうすぐ…着く。我慢しろっ」




蓮人さんのアクセントのない低い声が響く。




「着いたぞ…」



「へっ?」




彼の何を思っているのか判らない横顔ばかり眺めていたから、今自分が何処に居るのか全く判らなかった。





私は蓮人さんの促され、車から降りた。頬を掠める風は少し冷たく、潮の香りが漂う。




「行くぞ」




蓮人さんは私に言い捨て、さっさと歩き出した。




「待って下さい…」







< 196 / 235 >

この作品をシェア

pagetop