みつばちとはちみつ
「何 ケンカしてんだ?」
「ヒロ君には、関係ない。」
「向こう、行ってて。ヒロ」
ヒロは、下を向いて 泣いている2人の
間に立ち、片方の腕ずつ 2人の頭を
持って、自分の胸に 引き寄せた。
そして 何も言わずに ただ、頭を
ポンポン 叩いてる。
…これは、小さい頃から 私とニナが
ケンカすると ヒロがした仲直りの儀式…
身長差がない 小さい頃は こうすると
2人して ヒロの肩に 頭が乗ってた。
今は、2人が すっぽり入るくらいに
広くなった胸。頭をポンポンする手も、
大きくなったのに…してくれる事は
一緒。幼なじみとして…
大切な幼なじみの 絆。
それは、マサ兄も 守ってくれてたもの
でも あるはずなのに…
絶対にない!
マサ兄は そんな人じゃない!
そう思っても 溢れる涙は止まらなかった…
ニナも 思い出してるんだろう…
そして、同じように思い 止まらない涙と 格闘してるんだ…