みつばちとはちみつ


「 「ただいま〜!」」


当たり前のように ヒロの家に入る。
私の家は 両親とも 朝から夜遅くまで
仕事に追われ、帰っても誰もいない。
だから、子どもの時から ヒロの家で
過ごす時間の方が 多いかもしれない。


ヒロの家は 居心地が いい。
みんな、本当の家族みたいに
私を 大切に してくれる。
この家が、家族が 大好き。


『幼なじみ』に 縋ってるのは、私の方
なのかもしれないなって この家族と
過ごす時 思ってしまう…


「くう、ヒロ、おかえり。」

「マサ兄!なんで いるの?」


マサ兄は 五つ離れた ヒロのお兄ちゃん
片道2時間 かかる大学に行ってて、
今は 大学の寮に入ってる。


「 明日、体育祭なんだろ?俺も お前ら
の、見たいからな。
久々、母校に行くのも いいだろ。」

「え〜・・マサ兄も 来るの〜?」

「来なくて、いいって・・」

「2人して、薄情だな! わざわざ
帰ってきたのに!」


「みんな、ご飯 用意できたわよ。」

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