みつばちとはちみつ


「いいね、これ。最高の贈り物だ」

「・・そうかな・・」


くうと2人で 怪訝な顔をしてると、


「わからない?このDVDには
君達の 歴史が 詰まってるのが」

「歴史?」


「そう。君達、幼なじみの。
共に 空手道場に通い、遊んだからこその
息の合った 演技。他に どんなに 演武の
うまい人が 入っても、この演技は
できない。君達3人だからこそだ。

そして 最後。ヒロ君の くうへの想い、
あの場で ニナちゃんに 任せる信頼、
くうの ニナちゃんが 大切だという
気持ち、ニナちゃんの 2人の前では
飾らない態度、今の君達 全部が これを
見れば わかる。長い時間を共にした
幼なじみの歴史が、ね。

きっと 大人になったらこのDVDは
大切な宝物になってるよ。」


なるほどな…だから、父さんは
最後まで 見せろって…


俺達にとったら、ただの 恥ずかしい
日常の一部。でも この日常は
今までの 積み重ねで 出来た かけがえの
ない 大切なものなんだ…

…すげえな、親って。

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