銀河うさぎの夜
駅長うさぎ
今日も

いつものように「地球」を見ながら

ぼんやりうとうとしていると

突然

駅長うさぎが息をきらして

倉庫にやってきました。



「大変なことが起こったよ!」

「駅長うさぎさん、そんなにあわててどうしたのですか?」

「銀河うさぎよ、お前は今日、大変なことをしてしまったようだよ。」

「何ですか?」

「今日女の子を一人、乗せていたね?」

「駅長うさぎさん、女の子なら毎日たくさん乗せています。」


「実は、今日乗っていた女の子の一人が、なんと国王うさぎの一人娘だったのだよ。」

「わぁ、それはとても光栄です。」

「確かに。でも銀河うさぎよ、その国王うさぎの娘は、実は家出をしてきたらしい。
それで今、月中大変なことになっているのだよ。」

「あらら。」

「その国王うさぎの娘をどこの星で降ろしたか、覚えているかい?」

「そんなこと言われても…」



銀河うさぎは困ってしまいました。

だって

国王うさぎの娘なんて見たことありませんので

どこで降ろしたなんて到底わかるはずがありません。



駅長うさぎにそのことを伝えると

駅長うさぎは

頭をかかえて座り込んでしまいました。



「大変だ!国王うさぎの娘が見つからなかったら、私の耳がちょんぎられてしまうよ!」



耳がちょんぎられることは

うさぎにとって

とても屈辱的なことなのです。



銀河うさぎは

そんな駅長うさぎが

かわいそうに思いました。



「だったら、ぼくが今から探してきましょう。

ぼくはこの宇宙の中ならどこへでも行けますから!」

「おお!よろしく頼むよ!」



こうして

この夜は銀河うさぎにとって

いつもとちょっと違う夜になったのです。




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