切ない恋がしたいわけじゃない
夕方折り返しがあった。
会社の飲み会で、出られず。

飲み会帰り、暇だから電話するという口実を作りたくて遠回りして駅から歩いた。

『これから遊びに行ってもいい?』

『無理。寝る。』

嘘本当は会いたい。

『俺先週のテラスハウス見てないから、録画したの見せてよ。』

また、流された。

急いで帰り、化粧を直して部屋をまた片付けた。

冬なのに、胸元の空いたタンクトップとカーディガン。
自分に突っ込みをいれたくなる。
自分から誘ってんぢゃん。

家にあがってテラスハウスを見ながら話をする。

『やべー!黒渕メガネいーわ。細い女まぢたまんねー。』

私へのあてつけ?
そこまで、思ってないか。

見終わると、またいつものように。

『女紹介して。誰か今呼んで。電話して。』

私に女紹介して欲しいだけ。

『ぢゃぁ、誰か紹介するからもうlineも着信も無視するね。』

『それはダメだろ。』

私の仲間目当てなら、それでいいぢゃん。

『ぢゃぁ一回やろう』

『まぢ面倒くさい男。もういーわ。帰った瞬間に拒否するから。』




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