失恋のち恋

***



「ひな、ごめん。待った?」


「ううん。今来たところ」



優斗は近くまで来ると、唇にチュっと触れるだけのキスをする。



「もう早いよ!まだまだ、夜まで時間あるんだけど」


「ひなが可愛すぎるのがいけねぇの」



二人で手を繋ぎ、歩き出す。



「どこ行く?」


「どこ行こっか?」



ノープランな私たち。



すると……



「綾瀬さん……、綾瀬さん……」



微かに音が聞こえるような、聞こえないような……



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