クレナイの歌
張り詰めた静寂の中、最初に口を開いたのは彼女だった。

「…誰」

少年は言葉に詰まる。

「あ……俺、前転校してきた……」

彼女は眉間にシワを寄せた。
転校…と、ぼそりと呟く。

少年は無理に軽い笑みを浮かべた。頬がひきつる。笑うのは苦手だ。愛想笑いでさえも。

そして、彼女の隣へゆっくり腰をおろした。

「……何なの」

「綺麗な、声だね」

「は……?」

質問を無視した突然の言葉に、朱里は戸惑う。

「いきなり、何なの。…どうして此処に来たのよ」


何故貴方がこの場所を知っているの?


< 10 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop