クレナイの歌
電話も連絡がつかず、一方的にかけ終えたものばかりで埋まっていた。
相手は気づいてくれてたのだろうか。
こんなのはただ迷惑行為なだけだろう。
そうだと解っていながらも、彼女はまた電話をかける。
でも繋がることはなかった。
気が抜けたようにフラフラと歩き、しばらくした頃のことだっただろう。
朱里の携帯に着信音が鳴ったのは。
***
いつもと変わらぬ朝。少し肌寒い。
いつものように登校する。
マフラーをまいて。
昨日よりも少し晴れないような、むしろその逆のような。
何とも言えない微妙な心持ちで、岸辺は朝を迎えた。