クレナイの歌
一気に震えが体中を巡る。
気づかれてしまった。
「帰ってきてるんだろ!?朱里!!」
何も考えずただがむしゃらに家から出て走り出した。
それからはよく覚えていない。
なんでお父さんが帰って来てるの。
恐怖心と焦燥感に激しく襲われた。
走るのを止め、しばらく歩いた。
おもむろに携帯を開く、未送信のメールばかりで埋まっていた。
文字を打とうとすると
“会いたい”
書いては消した言葉が残っている。