恋色電車



「俺ね、愛衣ちゃんに隠してることがあるんだ」





神谷さんが次に言った言葉は、





私が予想した「ごめんね」でもなくて、





「いいよ」でもなかった。






隠してること・・・・・・・?





抱きしめる力を弱めて、私との距離を作る。





神谷さんの温もりがまだ残ってる。





「ずっと、隠してるつもりだったけど。」




そう言って、いつも必ず被っていたキャップをとった。
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