恋色電車


「なんだよ、この飴」


不意に目に止まったそれについて質問してみれば



「ほしいならもらって、いいわよ」


答えになってない答えが返ってきた。




誰もほしいなんて言ってねぇよ・・・・。



そうは思ったものの、


何気なく飴を一つ手に取った。



白い細い棒に、それに似合わない大きな飴がゴロンと先についている。



「何、あんたその飴、そんなにほしかったの?」



ずっと飴を見ていれば、隣から姉貴がいた。



「や、別に」



元の場所に戻そうとした




_____けど、それをやめた。
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