犬系な彼の飼い主はじめました!?
それって…
嫌な想像を頭を振って振り払った。
「そこらじゅう探し回ったんだけどいねぇしさ…」
そう言うと私の肩から手を下ろす。
反射的に、その両手をぎゅっと握った。
「大丈夫!1号は人に害を与えるような猫じゃないよ。優しいし人懐っこいから…私も一緒に探す!」
「奈田…」
早馬くんが1号を好きだったように。
きっと1号も早馬くんのことが好きだ。
────「ありがと、な…」
普段とは違った早馬くんの表情にも気付かずに、
私は堤防をかけ降りた。