モン・トレゾール
……えっと。どうしてこうなったんだっけ? 私、どこかダメだった?
脱がされて、触られて、舐められて……ここまでされたのに、急にハイ終わりですって――これって、放置プレイ?
「……ううっ、重い」
彼と重なったままのベッドの上で、一人眠れずにいた私は天井に向かってついそんなひとり言を呟いてしまった。
「もう……どうなってるのよ、これ」
バカ理! こんな格好で眠れるわけないじゃない。
ポカポカと彼の背中を叩く私の膝で、中途半端に脱がされたお気に入りのランジェリーが残念なことになっていた。
寝返りをうつように何度向きを変えようとしても、彼が私をぎゅっと抱き締めたまま離そうとしないからそれも無理で。
とてもじゃないけど恥ずかしくて、このまま朝を迎えるなんて耐えられそうになかった。
でも考えてみると、ここ最近の彼はとても忙しかったわけで。
長期の出張に休みなしでの連日の残業続き。それに加えて30周年パーティーの打ち合わせなんて、こんなに熟睡しちゃうくらい疲れが溜まっててもおかしくないのよね?
「――ん……」
一体どんな夢をみてるのか。子猫のように人のお腹に顔を擦りつける仕草を見せる彼の頭をポンと叩くと、その姿があまりに可愛くて思わずフフッと笑いが零れてしまった。