モン・トレゾール

――俺も、結構ガキだよな


耳まで真っ赤に染めるこの素直な反応を見ていると、もっとからかって遊びたくなってくる。


「意地悪って?」


そのまま胸元に頬をすり寄せると、逃げるように体をピクリと跳ねらせた。


「いつ、俺が愛莉にそんなことした?」


恥ずかしがる理由も分かってるのに、あえて知らないふりをするのはもっと自分の方だけを見て欲しいからだ。


こんな風に女に甘える姿なんて、昔の自分からは想像出来ない。


俺は、いつもどこかで女という生き物を蔑(さげす)んできたんだと思う。


だから、愛莉と出会ってからは、こんな自分自身に戸惑う時もあった。


だけど、今は――


「……してるじゃない、今も――……」


軽く息が上がった声で、途切れるように反論されても許したくなくなる。


真綿で包むようにずっと優しくしていたいのに。


その反面、逆に酷く泣かせてみたくもなる。


――ここまで支配したいと思った女は初めてだ。
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