モン・トレゾール
*
リビングのカーテンを開けると、やけに日差しが眩しかった。
洗面台の鏡の前の自分はウサギのように目が真っ赤だ。
ふと首筋に視線を移すと、昨日の夜のことをハッキリと思い出した。
結婚してから、毎日のように眠るあのベッドは……少しサイズが大きすぎると思う。
だからってあの広いベッドの中で逃げようとしても、一度捕まれば絶対放してくれない。
それに――
『好き』って答えないと、絶対に終わらせてくれない。
最近はまだマシになってきたけど、いくらあの時でも……至近距離で毎日好きって言うのは恥ずかしい。
それに、なんか”言わされてる”って気がして本当はあまり好きじゃないのよね。
でも、どうしてあんなに涙が止まらなかったのか自分でも分からない。
全然悲しくなんかなかったのに、あんな雰囲気で泣きじゃくっちゃったから完全に彼に引かれた気がする。
「はぁー、なんか私ダメね」