【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)

***1年後***


「…はい。出来ましたよ。
ゆっくり目を開けて下さいね。」

「……はい。」

ヘアメイクさんに言われた通り

私は少しずつゆっくり目を開けて

目の前の鏡を見た。

「………。」

そこに映るのは

別人じゃないかと思うほど

変身している私だった。

無言の私にヘアメイクさんが

「…良くお似合いですよ。
美男美女カップルで羨ましいですね。」

ニコニコしながら鏡の私を見つめた。

彼と一緒に選んだ

純白のウエディングドレス。

頭に飾られたティアラ。

ずっしりとくるその重みに

いよいよこの日が来たんだと

実感が湧いて来た。


「…この仕事をさせて頂いて
初めてです。
ご新婦様のルージュとグロスを
ご新郎様がご指定、ご持参されたのは。
…しかも、お見立ても素晴らしい。
よほど愛されているのですね。
…うふふ。」

ヘアメイクさんから言われて

頬が紅くなり始めた時

……コンコン。

控え室のドアをノックする音がして

……ガチャ。

ドアが開くと同時に

「…美紅。」

愛おしい人の声が背中越しに聞こえた。



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