続・心友。~もうひとつの想い~

「ふうん……」


立ちあがって悟にケータイを突き返すマリア。




「一応これで、あの日の画像はもう消えたってことになるけど、」


そう言ったマリアの言葉を最後まで聞かずに、悟が声をあげた。


「待てよっ。こいつはまだコピーを隠し持ってるかもしれへんねんで」


「だから、持ってないってば」


敵意丸出しの悟に、堂前も声を荒らげる。




たが、マリアはふたりをちらっと見ただけで、じっと考え込んでいた。




「マリアはこいつの言うことを信じるんか?」


顔を紅潮させて詰め寄る悟。


「そーゆーわけやないけど、訊いたところで『うん、持ってるねん』とはならんやろ?」


「それはそうやけど、だからって、今見過ごしたら……」




悟の反論はスルーして、マリアは堂前の前にスッと立ちはだかった。


< 88 / 133 >

この作品をシェア

pagetop