淋しいお月様
次の曲も英語の歌だった。

カーペンターズの TOP OF THE WORLDだ。

この曲も知っている。

セイゴさんは、私が解る歌をチョイスしてくれているのかな。

セイゴさんは、コードの難しいところだけ、手許を見ているけれど、基本は顔を上げて遠くを見ながら歌っていた――笑顔で。

本当に音楽が好き、っていうのが伝わってくる。

全身で音楽を奏でている。

オーラが出ている。

素敵。

次の曲も英語の歌だった。

これは私は知らない曲だった。

“サティスファクション”というフレーズが繰り返し出てくる。

有名な曲なのかな?

私も音楽をもっと知らなきゃ。

3曲弾き終わって、セイゴさんは“一旦休憩”とギターを置いた。

私は、ぱちぱちぱち……と拍手。

ありがとう、とセイゴさんは笑顔で応えた。
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