お姉ちゃんの憂鬱
「あの、大丈夫ですか?わたしから先生に説明しましょうか?」
ケンくんのお父さんにそう申し出られるが、そこまでしていただかなくても大丈夫だろう。
だって人助けをした結果の遅れなのだから。
「いえ、大丈夫です。気を遣わせてしまってすみません。私たちはそろそろ移動しなければいけないので…」
「香奈子!もう行っちゃうのか?」
「ケンくん、もう勝手にいなくなっちゃダメだよ。お父さんに心配かけないようにね」
「行っちゃうのかぁ…もう少し一緒に歩き回りたかったな」
「ほらケン、お姉さんたちだって予定があるんだから我がまま言わないの」
なにこんな最後ばっかりしおらしくするんだ。可愛いじゃないか。
「じゃあ、元気でね!またどこかで会えるといいね!」
最後にみんなとハイタッチして笑顔で手を振ってくれたケンくん。
きっともう会うこともないだろうけど、こんな旅先での出会いもいいものだなぁ。