お姉ちゃんの憂鬱
一言断りを入れて取り出したiPhoneを見ると、今日の朝登録したばかりの名前『胡散臭メガネ(担任)』からの着信が表示されていた。
その上に表示されている時刻を見ると15:38。
……おぅふ。
そういえばこの次に向かう名所でちゃんと時間通り回ってるかの確認ポイントがあるんだった。
そしてあたしたちがその場所にたどり着く予定時間は14時半。
はじめの30分の遅れを考えても、30分の遅刻だ。
なかなか鳴りやまない電話にため息がでる。
何を言われることやら……
「はい、もしも…」
「遅い。お前ら今どこで何してんだおい」
出た途端にイラついた担任の声に遮られる。もしもしくらい言わせてよね。
「迷子の男の子がいたので、一緒に保護者さんを探してました。今ちょうど見つかったところなので、これから移動します。と言っても、もう時間もないので、お土産を適当に見たらホテルに直行しますので先生も私たちのことは放置してホテルに戻るなり他の班の面倒見るなりしてください。お叱りならホテルで聞きますので、ではまた後ほど」
「ちょっ、おま…」
何か言ってるような気がしたけれど、ここは有無を言わさず切らせていただきます。
ここからホテルの近くまでバスで30分ほど。
お土産はここと駅で買えばいいが、なんせ時間がない。
この自主研修はホテルに17時半までに入らないといけないのだ。
今15時40分で、バスの時間も考えると、お土産を買う時間はそう長くは残されていない。