お姉ちゃんの憂鬱
「直くん、奥の席どうぞ。背もたれないとしんどいでしょ?」
朝食を済ませ、クラスごとにバスに乗り込む。
予定では今日の移動はメグが隣の座席だ。
通路を挟んでさぁちゃんとまどか、補助席に直くんがいるはず。
しかし、直くんがあまりにも眠そうにしているので直くんとあたしの席を交換することにした。
補助席では寝にくいだろう。
「かーちゃんってナチュラルにお姉ちゃんだよな」
「ん?何が?」
走り出したバスの中、隣に座ったまどかに話しかけられた。
こっちもこっちで眠そうだ。
「今のもそうだけど、すごい気ぃきくし、周りよく見てるし、相手優先で考えるし、何より優しい」
「そんなに褒めても何もでないよ?」
急にどうしたのだろう。
あたしそんなに周り見たりしてないけどな。
「まぁ、あたしがそう思ったってことを伝えただけだから。気にしないで」
それだけ言うと、余程眠かったのか「寝る」と呟いて目を閉じてしまった。
その奥に座るさぁちゃんも眠そうにうつらうつらしているし、直くんに至ってはもう夢の中だ。
「メグは眠くないの?」
「眠いっちゃあ眠いけど、寝たらお前暇だろ?」
「別にいいよ寝ても。メグは優しいなぁ」
「まぁな。ま、そこまで眠いわけじゃないから大丈夫。あとで眠くなるだろうけど」