Love their
里子もまたレイの言葉を聞き流すように、丁度運ばれてきた生ビールを手に持ちながら箸で摘んだサラダを口にした。


レイは何だかそれで会話が終わってしまった気がして後の言葉につまづいた。



………。


「あは、何この沈黙っ、とりあえず乾杯!」


レイは止まった空気の流れを起こすようにジョッキを片手に掲げた。


「お疲れ〜」


「友情に乾杯っ…なんてね〜」


ジョッキ同士が擦れる高い音を皮切りに会話が始まる。


「デートの邪魔して良かったの?」


「いいの、いいの。2人だと話もあまりないんだし」

「お前、酷いな〜」


「あんた達、相変わらずよねぇ〜」


里子の見えない遠慮を感じてそれを遠回しに和らげる。


その後、各々の仕事の話や大学時代の話、付き合うきっかけにもなったコンパの話まで遡り、次第にまた打ち解けていた。



3人顔を合わせた時に感じた若干気まずい雰囲気も忘れていた。


やっぱり気が合うよね…。

飲まないと言いつつも、つい進んでしまった空のジョッキを見ながら緊張のない時間に身を置く安らぎを感じていた。


昨晩の事は何もなかったように思える余裕すら出てくる。

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