Love their
君がどうであろうが―。


サトルのことを指しているのかもしれない。


レイはそう解釈しながらも真っ直ぐに自分を見つめる彼の視線から目を離すことが出来なかった。


「君が欲しい」


彼の真摯な訴えから逃れることが出来なかった。


と言うよりも捕まえて離さずに壊れてもいい、抱き締めて欲しい。


彼の訴えに応えるようにコクンと頷き、レイは瞳を閉じた。


瞳を閉じても瞼を通して彼の気配を感じることが出来る。


瞼で一身に彼を感じているせいか、小刻みに震えるのが分かる。


彼がガラステーブルに置いてあったリモコンで部屋のダウンライトを最大限に落とすと瞼越しに映っていた丸い光が暗く閉ざされて震えが治まっていくのが分かった。


そして温かい吐息が頭から降りて来たかと思うと彼の唇が瞼に触れそのまま覆い被さった。


じわ〜っとした感触が薄い瞼を通り越して瞳を溶かすような、目を閉じて光を閉ざした替わりに数倍にも感じる温かさがそこにあった。



優しいキス。


目を開けて全てを受け入れたい気持ちに駆られる。



堪らなく吐息を漏らすレイの唇を彼の細い指先がゆっくりと何度もなぞる。

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