Love their
―7月2日―



「ｳ〜ﾝ…」


鈍い瞼を持ち上げて暖かい羽毛の中から腕を上げ伸びをした。


そのままゆっくりと反り返り少し冷たいｼｰﾂの感触が腕に触れて目が覚めた。



……。


1人では余る位の広さに徐々に頭が覚醒していく。


レイは思い出したかのようにｶﾞﾊﾞｯと軽すぎる羽毛を手で押しのけ辺りを見回した。



そうだ……。
彼のﾏﾝｼｮﾝだった。


ようやくｵｰﾄﾏﾁｯｸに動いていた頭をﾏﾆｭｱﾙに切り替えて深呼吸した。


隣にいた彼の姿が見えない。


先に起きたのだろう、と重力に従って再び後ろに倒れ込んで虚ろに高い天井を見上げた。


久しぶりに見たﾊﾟﾊﾟの夢。

思い出すことはあってもあまり夢に出てくることはなかった。


夢の中で妙にﾘｱﾙにﾊﾟﾊﾟの姿を捉えていた自分が居た。


確かに感じた安堵感。


浸るままに再び寝てしまったんだ。



ｲﾀﾀﾀ…。
ｼﾞﾝと重く鉛を首から吊り下げているような痛みをこめかみに感じた。


昨晩の深酒のせいだろうか。


飲まないと言いつつ受け入れるままに飲んでしまった割にはあまり酔わずに記憶は鮮明に思い出すことが出来る。

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