Love their
第1章―愛情、嫉妬
―6月14日―



昨晩から降り続いた雨も昼前にはようやく止んだ。



私は鏡の前に座りマスカラをまつ毛に乗せる。




―雨なら、明後日行くね。



昨日サトルにこう告げたのもあったせいか正直、行く気分ではなかった。




先週残業続きで疲れもあって今日の土曜日はゆっくり家で過ごそうと決めていたから。




梅雨入りしてからはほとんど雨が降らず、



昨日のまとまった雨が止むことはないって思ってもいた。






サトルは3日前から盲腸で入院していた。



幸い、大事には至らず手術も終え週明けには退院出来るそうだ。




―土曜日は会社の連中が見舞いに来るけど、会いたいよ―




サトルの会社での立場はあまりよく知らないけれど、


普段から何かと私との食事に先輩、後輩を連れてくることが多かった。



何気に私を得意気に自慢するあたり、そんなに仕事が出来る方ではないのかもしれない。



よく言われる、
『お前にこんな彼女がついてるなんてな〜』



聞く度にウンザリだった。



何だかサトルが自分の力なさを私で補おうとしているのが分かる気がした。



会社の人が来る日にわざわざ会いたいなんて。


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