Love their
そんな時間が実は一番疲れを癒すのかもしれない。


ここ最近、ずっとフル稼働が続いていた。


浮ついた気持ちばかりじゃまともな考えすら浮かんで来ない。


現に今の私がそうだ。


産地の食特集の番組は見るからに食欲をそそる旨そうな食べ物を紹介していた。

レイの身体もようやく普通に戻ったのか、二度と湧いて来ないんじゃないかと思った位に無かった食欲がうなぎ登りかのように込みあげてきた。


ゴク…生唾まで出る始末。


膝をついたまま冷蔵庫に這っていき、中を覗くが缶ビールにチーズ、そして卵が2個だけとやたらに冷気が冷たく感じた。


仕方ない。最近、外食ばかりでまともに料理してないし。

この重い食欲をアイスクリームで満たすのは避けたい。


今の気分はご飯、まともなご飯が食べたい。


和食、とか。例えば肉じゃが?

レイが思った時に丁度、『お袋の味・肉じゃが』とさっきの番組が主旨を家庭料理に変え流れていた。


何てタイミングの良い…変な偶然を少し運を使った気がして嫌だったが、今晩の夕飯を決めるのに決定的だった。


時計はもう19時を少し回ったところを差していた。


そりゃ、お腹も空くわよね。

< 154 / 274 >

この作品をシェア

pagetop