Love their
もぅ、いいや…。


諦めて丁度目の前にある石鹸を手に取り棚から溢れそうになる物を奥に押し込んだ。


ん?


一番奥にあるポーチに目がつき手を伸ばす。


見覚えのあるポーチ。
かなり前に里子に貰ったものだ。


里子の化粧品会社の限定ポーチ。


限定コスメは無かったがポーチだけコソッと持って帰ってきてくれた物だった。


うわ、懐かし〜。


思わずせっかく押し込んだ周りの物を崩しながらポーチを取り出す。


前に持って来てたっけな…?


置いたままあまりこっちに来ることなかったから、すっかり忘れてたのかも。


お泊まりセットとして化粧水やら色々詰め込んで置いてたのだっけ…?


思いだせないが、きっと付き合った当初のものなんだろう。


あまり来ることないし、持って帰ろ。


そう思いレイはポーチのチャックを開けた。



中には全てミニボトルの化粧品が詰められていて一通り化粧が出来るように大体の物は入っていた。


あれ、これ…。


全てに見覚えの全くないもの。
いくら忘れていると言っても見覚えのないものはない。


一つ一つ手に取って見る。

これ、全部里子のメーカーの…。

化粧品は全て同じメーカーで統一されていた。
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