Love their
紙コップをテーブルに並べて出来上がったばかりの珈琲を注ぎ入れる。



後ろではサトルと会社の人たちがそんな私の姿を見て何やら私の話をしているようだ。




「レイちゃん、優しいよな〜」




「お前、大事にしろよ〜幸せものっっ!」





サトルに目をやるとやっぱり嬉しそうな顔をしていた。




分かりやすいヤツ…。




フツー『そうでもないっすよ〜』とか言うだろ…。




レイは心の中で呆れ口調になったが裏腹、笑顔を見せて言った。




「ゆっくりしていって下さいね」



配り終えて珈琲メーカーのスイッチを切り、サトルに一声掛けてから部屋を出た。




とてもじゃないけど一緒に話をする気になれなかった。



会社の人たちには申し訳ないが若干つまらない話ばかり。



サトルはパソコンの勉強になるんじゃない?とか言うけど。



専門すぎてそれどころではない。



話を理解するまでにどれくらい時間がかかるか分からない。





そしてもう一つの理由。




サトルが得意分野をわざと私に見せ開かしている気がしてならなかった。


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