Love their
予約した中華料理店はカフェからタクシーに乗り10分程走った場所だった。


オフィス街の中とあって並ぶ客はサラリーマンとOLが大半だった。


どんよりとした曇空のせいか19時前だが辺りはもう暗い。



「あ〜やっぱ予約して良かったよな〜」


レイにコソッと耳打ちしながら並ぶ客を横目に自動ドアのボタンを押した。


店内の中は各々個室となっており入口からは様子が伺えなかったが、食欲をそそる香りが漂っていた。


店員に案内されて奥の個室へ向かう。


ココデス、と少し拙い言い方で席へ通された。


店員も中国の方のようだ。


注文はサトルに任せ、携帯を確認する。


タクシーの中でバッグ越しに振動が触れたのが分かったがその場では見なかった。


たまに誰?と覗き見するサトルの横に座る車内では見られる確率が高い。


こうして向かい合った席だと身を乗り出してまでは確認しないだろうと思ったのだ。


メール1件、里子からだった。


『今晩、暇してる〜?返事チョーダイ』



頻繁に連絡入れてくるのはきっと例の彼の事が気になっているからだろう。


今は、話は出来ないが…


そうだ、こっちに呼ぼう。
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