誰もしらない世界
その日の午後、歩は藤田と店前で待ち合わせをする。
藤田は歩よりも早く到着した様子でケータイを触っていた。

歩(ごめんなさい。遅くなっちゃって!待った?)

藤田(いえ、今来たばっかりです。)

歩(そう、ならよかった!いこっか。)

そう言い、歩は行きつけの寿司屋へ向かう。

ガラガラガラ
寿司屋のドアを開け、いつもお決まりの端っこのカウンターへ座ると歩に寿司屋の大将が話かけてくる。

大将(あれ、珍しいね。今日は杉浦さんと一緒じゃないんだね)

歩(今日は同伴なんで)

そう会話を交わすと、藤田は歩に杉浦について尋ねる。 

藤田(歩さんって、杉浦さんって人と付き合ってるの?)

歩(違いますよ。お客さまですよ。)
そう言い、歩は杉浦の事を誤魔化し藤田に話しかける。

歩(ねぇ、藤田さんってお仕事何してるの?)

藤田(えーっと探偵だよ。)

歩(探偵かぁ…)

歩はあまりいい気分がしなかった。
< 100 / 304 >

この作品をシェア

pagetop