誰もしらない世界
ジリリリリーン

目覚ましの音がうるさくなっていた。
歩はねむけまなこで目を覚ました。そしてまた、二度寝を始める。

コンコン

母親が扉のドアを叩く。

歩(いま起きる)

そう言い、また歩は眠りにつく。

コンコン…
またドアを叩く音がする。

歩は無視をすると、五分くらいしてだろうか。またドアを叩く音がする。

ドカッ

今度はドアを蹴る音がした。

歩(うるっさいな朝から)
妙に母親のドアのノック音が歩をいらつかせる。

母(いい加減おきなさいよ)
母親がヒステリックに怒る。

歩(朝からうるさいよ、いちいち!)
歩も朝からヒステリックに怒り倒す。

ここは、感情のままに叫んだりするそんな戦場だった。

午後が過ぎ、学校から帰宅すると、歩は勉強をせずにカウンターにおいてあるお菓子を食べる。ジュースに、漫画、お菓子を並べる。
勉強道具は、床に投げ捨てたままだった。


ガチャ。

母(ただいま)
階段をのぼってくる音がした。

トン…トン…

ガチャ。

リビングルームのドアがあいた。
母親がドアをあけると、そこは歩のお城、ゴミ屋敷となっていた。
母親が思わず、奇声をあげる。

母(部屋くらい片付けなさい)

また、いつものヒステリックが始まった。
< 17 / 304 >

この作品をシェア

pagetop