誰もしらない世界
それを聞いていた歩には、葵がこんなふうになった理由がすぐにわかったのだ。
歩は一瞬凍りついた表情で、いつかは自分もこんな風になるのかと思うと、背筋が凍る思いでいっぱいになったが、気を取り直した。

歩(そっか。)

そう一言だけ返事をして、部屋に閉じこもった。
そして、これからをどうしようか、水商売一本でやっていくのには無理がある。しばらく男に合わせて今までどおりにやるしかないと思った。
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