恋はしょうがない。~職員室であなたと~



時計を見ると、もう7時半になろうとしていた。


「……そう言えば、管理棟は自動警備になってて、7時半になるとオートロックされるって知ってた?」



「……えっ……!?」



古庄がサラリと言ったことに、真琴は息を呑む。

古庄を凝視して固まる真琴の反応に、古庄は面白そうに唇を歪める。


「外からはおろか、中からもドアを開けようとすると、警報が鳴るってわけだな」


「ええっ!それじゃ、古庄先生も帰らないと……!」


このままだと、二人とも管理棟に缶詰めになってしまう。

真琴は学校で徹夜覚悟だったのでそれもしょうがないが、古庄をそれに付き合わせるわけにはいかない。



「……いいよ。俺にできることがあったら、手伝うし。それに、学校に一人きり…なんて、心細いだろ?」


確かに、いくらオートロックで護られているとはいえ、一人きりになるのは少し心細かった。

けれども、真琴は、自分の失態に古庄も付き合わせるのは、かなり気が引けた。


それに何よりも、古庄と二人きりでいる…その現実が、重く真琴にのしかかり、心なしか気分まで重苦しくなってくる。


しかし、そうこうしている間に時刻は7時半を過ぎてしまい、二人とも缶詰め…が現実となってしまった。




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