茅

2日目

「ん――――――」
今日は眼が覚めても茅さんは私の上にはいません。
当たり前です。
これは常識です。
昨日の夜「もし明日の朝今日と同じ事したら二度と口利きませんから」と言っておいたので茅さんは諦めてくれました。
朝食を食べに奥の部屋に行くとそこには茅さんの姿は有りませんでした。
まだ起きて無いのかな。
そう思って茅さんの部屋に行っても居ませんでした。
仕方がなく一人で朝食を食べていると龍仁さんがやってきた。
「おはようございます風葉様」
「おはようございます。龍仁さんどうかしましたか」
朝この部屋に龍仁さんが来るなんて珍しい。
「お伝えしたい事がございまして」
「何でしょうか」
「今月末に予定している襲名パーティーなのですが、茅様との婚約パーティーも同時に行いたいと思っているので茅様にも出席していただいても良いでしょうか」
私じゃなくて茅さんに聞けばいいのに。
「茅さんには言いましたか」
「はい。茅様は承諾して下さいました」
「私も別に良いですよ」
「分かりました。もう一つ、風葉様の学校への送迎の事なのですがお迎えは茅様がするそうです」
自分で言うと私に却下されるから龍仁さんを使ったよあの人。
龍仁さんに対して嫌ですなんて言えるわけ無いじゃないですか全く。
「…分かりました。そうだ。龍仁さん今日茅さんを見ましたか」
「はい。朝早くお仕事に行かれました」
「そうですか。教えてくれてありがとうございます」
「いいえ。では失礼します」
朝から仕事なんてドラマの撮影かな？
それにしても多忙な芸能人だな。
結局今日も迎えには茅さんが来ました。