茅
茅side
「茅。今日の仕事は終わったのか」
「兄貴どうかした?」
撮影が終わって楽屋で休んでいると兄貴が入って来た。
「この間お前が頼んできた事調べて来た」
「早っ」
頼んだの一昨日だぞ。
さすが兄貴。
「でどうだった」
「ホイ」
兄貴が投げたのは一つの封筒っだった。
「何これ」
「桜庭家の戸籍謄本」
戸籍謄本がどうしたんだよ。
「で、分かった事は?」
「昔爺さんに連れて行かれて先代桜庭家当主と会った事があるんだよ。その時、先代桜庭家当主の隣に俺と同じくらいの男の子が居たんだ」
「そいつがどうかしたのか」
「確かその男の子は先代桜庭家当主の孫だった筈なんだよ。で、爺さんに確認してみたらそうだった」
「てことは」
「そう。風葉ちゃんの兄にあたる人なんだ。でもこの戸籍謄本にはそいつが載っていない」
「……」
「5年前に桜庭の戸籍から消えていた。詳しく調べたら本家の方から分家の浅羽(あさばね)の家に戸籍が移されていた」
「養子として?」
「それが違うみたいでさ。養子手続きはしていないんだ。もともと分家の子供だったって事になってる」
「そいつの名前は?」
「桜庭風雅(ふうが)。今は浅羽風雅と名乗っているらしい」
「他には」
「戸籍を移された時期辺りの桜庭家について調べてみたけど収穫0」
先代当主が揉み消している可能性が高いな。
「兄貴、ありがとな」
「なんだもう帰るのか。じゃあ俺も帰らないとな」
「風葉の迎え行かなくちゃいけないから」
「熱々だなお前ら」
「違う。俺が迎えに行く事嫌がってんの」
多分今日も怒られる。
「じゃあ頑張れよ~」
呑気だな兄貴。
風葉は怒ると超コワイ。
でも嫌だとか言いながら俺のお願いを聞いてくれる所が優しい。
やっぱり風葉は可愛いな。
「茅。今日の仕事は終わったのか」
「兄貴どうかした?」
撮影が終わって楽屋で休んでいると兄貴が入って来た。
「この間お前が頼んできた事調べて来た」
「早っ」
頼んだの一昨日だぞ。
さすが兄貴。
「でどうだった」
「ホイ」
兄貴が投げたのは一つの封筒っだった。
「何これ」
「桜庭家の戸籍謄本」
戸籍謄本がどうしたんだよ。
「で、分かった事は?」
「昔爺さんに連れて行かれて先代桜庭家当主と会った事があるんだよ。その時、先代桜庭家当主の隣に俺と同じくらいの男の子が居たんだ」
「そいつがどうかしたのか」
「確かその男の子は先代桜庭家当主の孫だった筈なんだよ。で、爺さんに確認してみたらそうだった」
「てことは」
「そう。風葉ちゃんの兄にあたる人なんだ。でもこの戸籍謄本にはそいつが載っていない」
「……」
「5年前に桜庭の戸籍から消えていた。詳しく調べたら本家の方から分家の浅羽(あさばね)の家に戸籍が移されていた」
「養子として?」
「それが違うみたいでさ。養子手続きはしていないんだ。もともと分家の子供だったって事になってる」
「そいつの名前は?」
「桜庭風雅(ふうが)。今は浅羽風雅と名乗っているらしい」
「他には」
「戸籍を移された時期辺りの桜庭家について調べてみたけど収穫0」
先代当主が揉み消している可能性が高いな。
「兄貴、ありがとな」
「なんだもう帰るのか。じゃあ俺も帰らないとな」
「風葉の迎え行かなくちゃいけないから」
「熱々だなお前ら」
「違う。俺が迎えに行く事嫌がってんの」
多分今日も怒られる。
「じゃあ頑張れよ~」
呑気だな兄貴。
風葉は怒ると超コワイ。
でも嫌だとか言いながら俺のお願いを聞いてくれる所が優しい。
やっぱり風葉は可愛いな。