「おかえりなさい風葉様、茅様」
「ただいまです龍仁さん」
「國相様大丈夫ですか?随分お疲れのようですが」
「この人の自業自得なので心配しないでください」
「…そうですか」
来ないで下さいとあれ程行ったのに来る方が悪いんです。
「夕食の準備が出来ていますのでお早めに来て下さい」
「はい。解りました」
茅さんを置いて行くと「風葉待ってよ~」なんて言う情けない声が聞こえて来た。
無視しよう。
部屋に荷物を置いて簡単な着物に着替える。
「風葉居る?」
扉の向こうから茅さんの声が。
扉を開けると灰色の着流しを着た茅さんが立っていた。
「どうしましたか茅さん」
「…今日、迎えに来ないでって言われたのに迎えに行ってゴメン」
謝りに来たんですか。
やっぱり素直な人ですね。
「もういいです。私こそ言いすぎました」
「俺が悪いんだから大丈夫」
「そうですね」
「う゛」
「さあ夕食食べに行きましょう」
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