同居生活?!

風葉side
「お帰りなさいませ、風葉様」
「ただいまです」
お出迎えをしてくれたのはいつもご飯を作ってくれる柚希さんだった。
「國相様にお会いできましたか」
「はい。でも意味が解らないこと言われて…」
さっきの事を車の中で考えてみたものの理解ができなかった。
「あの風葉様、お荷物が届いていますよ」
「どれですか?」
「沢山あるので客間に置いてあるのですが」
客間には山のような荷物。
こんな沢山の荷物、どうしたんだろう。
「こちらです。実は受取人のお名前がここに居るものの名前ではないのです」
「じゃあ間違って配達したとゆう事?」
「それが、お届け先の住所がこの御屋敷の住所なのです」
あっ、もしかして國相茅の。
そう言えばさっき。荷物を送ったとか言ってたような。
受取人の名前を確認して見るとやっぱり“國相茅”だった。
「本当だったんだ…」
でもどうして荷物を家に運ぶの?
「風葉様、どうしましょう」
「置いときましょう」
「そうですか」
部屋に戻って頭の中を整理する。
國相茅が言っていた事を理解するため、遺言状に見落としがなかった確認しようと思う。
もう一度読んだけど見落としは無かったし、封筒にも何も入っていなかった。
「やっぱり書いてない…」
じゃああの人が言っていた事は何?
疑問を浮かべながら手紙を封筒に仕舞おうとしたときに気がついた。
「あった」
気付かないなんて私バカだ。
てゆうか回りくどいよ、おじいちゃん。
書いてあったのはなんと、ウラ。
思い出して付け足したって感じになってるよ。
『二人仲良く暮らすんだぞ!』
ビックリマーク要らないから。
これ皆に言わないとダメだよね。
お部屋を出るとちょうど龍仁さんがやって来た。
「風葉様、どうなさいました」
「龍仁さん、あのですね…婚約者の人と一緒に暮さなきゃいけないみたいなんです」
「それはどうゆう事ですか?」
めったに驚かない龍仁さんも驚いてるよ。
「実は遺言状に書いてあって…」
「あの荷物はそうゆう事でしたか…」
龍仁さんも見たんだあの荷物。
「では柚希さん達にお知らせしてきます」
「待っ」
行っちゃった…
まだ一緒に暮らすなんて言ってないのに。
やる事がないのでお部屋のんびりとしているとお手伝いさんが入って来た。
「風葉様、お客様がお見えになったのですが」
「お客様が?」
「はい。風葉様にお会いしたいとおっしゃられて」
もしかして、國相さんが来たのかな?
「分かりました、今行きます」
お手伝いさんに付いて行くと客間に國相さんがいた。
「國相さんどうしましたか」
「お前家広いんだな。俺の家と同じくらいか」
「話聞いてます?」
「聞いてるよ」
嘘だ。絶対聞いてない。
「どうしましたって知ってるだろ。一緒に暮らすからここに居るんだ」
疑ってごめんなさい。ちゃんと聞いてました。
「訊いて言いですか」
「なに」
「どうしてこの話を承諾したんですか」
「承諾も何も小さい時から言われてた」
そんな前から決まってたの?
龍仁さんを見ると優しくほほ笑んでくれた。
知ってたんですね全部。
一緒に住む事以外は。
「で、俺はどの部屋を使えばいい」
「待って下さい。私は承諾してません」
「俺に帰れって言うのか?」
「そうゆう事ではないですが…」
そこまで言ってないですけど。
「じゃあ、決まり。俺の部屋は?」
「まだ決まっていません」
だって、本当に一緒に住むとは思っていなかったから。
「じゃあ俺が決める」
「ちょっと待って下さい」
勝手に家の中を歩いて行く。
「ここがいい。俺この部屋使うから」
「國相様。そのお部屋は…」
「龍仁さん大丈夫です。いいですよ、このお部屋使って下さい」
龍仁さんの言葉を遮る。
龍仁さんが言おうとした事はこの家ではタブー。
決して触れてはいけないこと。
「お前の部屋は」
どうしてそんなこと聞くんだろう。
「貴方の隣です」
「ふーん」
自分から聞いてきて、どうしてそんなに興味無さそうに答えるのですか。
「そこ邪魔」
「あっ。ごめんなさい」
部屋を出て行くと客間から次々と自分の荷物を運んでくる。
「あの、お手伝いしますか」
「邪魔になる」
そうですか。
「風葉様、どういたしますか」
「ほって置きましょう」
いても邪魔になるだけだそうだから。
「そうですか」
「私、柚希さん達手伝ってきます」
「はい。わかりました」
そう言って台所の方に向かった。
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