*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫
「………この可愛らしいお嬢さんは、あなたの恋人なの?」






母は、灯の瞳をじっと見つめて訊ねた。




唐突な問いに、灯は思わず目を丸くして言葉に詰まる。






「……………」





「あら、否定しないってことは、そうなのね?」





「……………」






灯はやはり沈黙で応えた。






母は嬉しそうに笑い、汀と灯を交互に見る。






「あなたたち、とっても仲が良さそう。


きっと、前世からの深いご縁があるんだわ………」






優し気に綻んだ母の目尻を見つめながら、汀は「ふふ、そうでしょうか」と穏やかに答えた。







母は灯に向き直り、改まった口調で言葉を紡ぐ。






「とっても優しくて、本当に素敵なお嬢さんね」





「…………はぁ、まぁ」






灯は我ながら間抜けだと思いつつも、気の抜けた返事をした。








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