箱入り結婚のススメ

手土産を買っていきたいという室賀さんに、母が好きな洋菓子店を紹介した。
パティスリー ド ショコラティエというお店の、いちごタルトが絶品なのだ。


室賀さんとふたりで家の門の前にたつと、緊張で震えてくる。
彼を紹介するなんて初めてだ。
私はどうしていればいいのだろう。


「ウーマンライフに……こんなとき、どうしたらいいのか書いてなかった?」

「いえ……」

頭の中で色々な記事を思い出してみたものの、浮かんでこない。


「緊張してきた。僕も勉強してこればよかったかな」


緊張してきたなんて言っている彼だけど、背筋をピンと伸ばして前を見据えている彼が、緊張しているようには見えない。

室賀さんはもしかして、私の緊張をほぐすためにそんな言葉を口にしたのかもしれない。


「行こうか」


もう一度ネクタイを締め直した彼は、私の顔を見つめてニッコリ笑ってみせた。

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