箱入り結婚のススメ
母が玄関で室賀さんを出迎えた。
「初めまして。室賀秀明と申します。
これ、舞さんからお好きだとお聞きしましたので」
室賀さんが差し出したケーキの箱を見て、母は笑顔をみせた。
「お気遣いありがとうございます。舞の母です。
舞がいつもお世話になっているようで。
奥で主人が待っております。
舞、応接室にお通しして」
「はい」
緊張する。
室賀さんの方が緊張しているはずなのに、私よりずっと堂々としている。
「お父様、室賀さんをお連れしました」
私がドアを開けてそう言うと、父は立ち上がった。
「初めまして。室賀と申します」
丁寧に頭を下げる彼に、父はソファを勧める。
「舞の父です。わざわざ足を運んでもらって悪いね」
「いえ。こうして貴重なお時間をいただけて、うれしく思います」
最初の対面は、驚くほどスムーズだった。