箱入り結婚のススメ

「顔を上げなさい」

「はい」

「君は、本気、なんだね」


室賀さんは父の質問にうなずいている。

「はい、もちろんです。
私もこの方だと思う人がいれば、家庭を持ちたいと常々思っておりました。
ですから、舞さんと、いい加減な気持ちでお付き合いさせていただきたいとは思っておりません」


室賀さんがきっぱりとそう言うのを聞いて、麻子が『当たり』と言っていたことを思い出す。


「お付き合いの先に、結婚を意識して、真剣に向き合わせていただきたいと、思っております」


室賀さんの隣に正座した私は、膝の上で手をギュッと握った。
彼の言葉がすごく嬉しくて、それと同時にすごい責任も感じる。
この人がここまで真剣に考えてくれるなら、私も覚悟を決めよう。

だけど、それは決して嫌な責任ではなかった。

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